インドネシアンな日々 in Japan

ムスリム × クリスチャンの異教徒夫婦

馴れ初め【その4】


夫との馴れ初めの続き。最終話です。前回までの話はこちら。

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私が彼氏と別れるか迷っていた頃、ポラロイド君は私に誰と住んでるの?という質問をしてきた。

なぜ誰かと住んでる前提の質問なのか謎だったけど、私は正直に彼氏と住んでると答えた。

実はポラロイド君にも現地人の彼女がいた。

メンタルが不安定な子で、別れられずにズルズルしていた頃に私とチャットしてることがバレて彼女は激昂したらしい。

別れを告げたら彼女はハサミを自分の首に刺して自殺未遂をしたという。

エクストリームすぎる…。

最終的には彼女の母親に引き取ってもらい別れたんだとか。

そういうわけでお互いシングルになった。

一度しか会ったことがない外国の人。

この先どうなるかなんて分からなかったけど、とにかく話をするのが楽しくて毎日チャットをしていた。

そのうちSkypeで顔を見て話すようになった。

当時彼はまだスマホを持ってなくて、仕事が終わるとネットカフェに行ってSkypeで私と話すという日々だった。

今考えたら何をそんなに話してたんだって感じなんだけど、毎晩明け方まで話していた。

私はほとんど寝てない状態で仕事に行き、仕事が終わると仮眠してまた夜にはSkypeで話すという日々だった。

最初はインドネシアの物価とか給与水準が全然分かってなかったけど、毎日ネットカフェで何時間も話すのはきっと彼にとって負担になっているんだろうと気づき始めた。

新しいiPhoneを買ったタイミングで古いiPhoneを彼に送ることにした。

調べると受け取り側で税金を払わないといけなくなることが多く、現地の人からするとそれが結構な負担だったりすることが分かった。

自分が税金を負担できるようにFedEXのアカウントを作って高い送料をかけて送った。

彼はめちゃくちゃ喜んでくれた。

ネットカフェに行かなくてもwifiさえあれば顔を見て話せるようになった。

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彼は度々日本に遊びに来たいと言ってきた。

でもパスポートすら持っていなかった。

もし本当に彼が自分でパスポートと航空券を取って日本に来るならば私は滞在費用を負担しようと思っていた。

物価があまりにも違うことは理解してたから。

でも彼にはそのお金もなかった。

半信半疑な部分もあったから、私が渡航費用を負担するのは嫌だった。

ビザ目的で日本人に近づく悪い外国人の可能性が捨てきれなかった。

でも毎日何時間も顔を見ながら話して、家族のこととか生い立ちの話を聞いていると彼が悪い人とはとても思えなかった。

彼との時間は私の生活の中心になっていた。

このまま私はいつまで彼とこんなことを続けるんだろうとも思った。

でも終わりにしたくはなかった。

結論を出すために私がもう一度バリ島に行くことにした。

家族には何となく彼の存在は話していた。

特に何とも言われてなかったんだけど、会いに行くと言ったらものすごい心配された。

そりゃあそうだよね。

でも私も大人だからどこに旅行に行こうと私の自由ではあった。

彼はホテルを手配してくれた。

年末年始で高かったはず。きっと彼の月収を超える金額だったと思う。

半分払うから金額を教えてほしいと言ったけど教えてくれなかった。

そして待ちに待った出発の日。

初めて出会った時から実に7ヶ月が経過していた。

側から見たら一度しか会ったことがない外国人に会いに行くとかクレイジーだと思うだろう。

画面越しに何百時間も一緒に過ごしてきた私たちの関係は、私たちにしか分からないものになっていた。

出発の日の朝、今から家出るよとか空港に着いたよとかチャットしたけど、なぜか返事が来なかった。

電話もかけたけど出なかった。

本当に彼は空港まで迎えに来てくれるのだろうか。

本当にホテルは予約されているのだろうか。

慣れない国で1人ぼっちの年末年始だったらどうしよう。

返事がないまま搭乗時間になった。

乗るしかなかった。

7時間後、乗り継ぎ地のジャカルタwifiを入れると彼から鬼のようにメッセージと着信がきていた。

どうやら寝坊したらしい。私が飛行機に乗ったかどうかも分からず不安な時間を過ごしていた。

バリの空港に到着すると彼は運転手を連れてお花を持って迎えに来てくれていた。

あれだけ毎日顔を見て話してたのにお互い緊張してしまって会った瞬間は少しぎこちなさがあった。

でもあっという間にいつもの感じで話せるようになった。

滞在中、彼は私をいろんな場所に連れて行ってくれたし、全ての費用を負担してくれた。

今写真を見返すと彼の収入に見合ってないお店にもたくさん連れて行ってくれていた。

この時のために仕事をいくつも掛け持ちしてお金を貯めていてくれたのだ。

私のことを友達にも紹介してくれて、みんなとてもいい人たちだった。

毎日楽しくて終わりにしたくないと思った。

次に会う計画も立てた。次の予定がないと遠距離が辛すぎたから。



こうして私たちの関係は正式なものとなったのです。

だいぶ長くなったけど、これが私たちの馴れ初めです。

ここから結婚までがわりと大変だったんだけど、それはまた別の機会に書けたら書こうと思います。

私たちの馴れ初めを話すと映画みたいなストーリー!って言われることもあるんだけど、実際はほぼ同じパターンで結婚してる人結構いるのよね。

意外とみんなちゃんと結婚生活続いてるからすごいと思うw